こんにちは。前回は自己紹介もなしに記事を書き始めてすみません。
普段はパッケージ等のグラフィックデザイナーをしているみゃむと申します。
今回はそんなパッケージデザイナーさんにおすすめの機能を紹介したいと思います。
どうしてこの記事を書いたのか
先日Dimension CCユーザーグループ ファーストミーティングに参加してきました。
その模様はAdobeさんの毎週生放送しているインターネット番組のCC道場でも紹介されているので
ぜひご覧になってみてください。
前半はDimensionCCの使い方について、グラフィックデザイナーの樋口泰行さんのデモがありました。
後半はAdobeの大倉壽子さん(アドビシステムズ株式会社)のデモがありました。
それがですね、とってもすごかったんですよ!
このGIF動画の画面はAcrobatのものなのですが
Acrobat上で3D PDFがぐるぐる動くんです!
しかもPhotoshopで書き出しできるんですよ!
みなさん、これご存知でしたか?私は知りませんでした。。
(実は数年前からあったらしいです)
なのでもっと掘り下げようと思って検索していたのですが、詳しい解説が見当たりませんでした。
ということでちょっと研究してみたので発表させていただきます。
つまりパッケージなど立体物のデザインなどがとても分かりなすくなる。
あと、楽しい!
今回も素材の配布があるので、どんなもんか触ってみるだけでもどうぞ。
今回作るもの
先ほどGIF動画でお見せしたシンプルな箱のパッケージを作ります。
工程は以下の4つです。
1.柄を作る
2.Photoshopで3Dモデルを作成してOBJというファイルで書き出す
3.柄を貼りつける
4.Photoshopに戻ってPDF書き出しをする
1.柄を作る
さっそく柄になる箱の全面、側面4面を横に繋げて1枚にしたもの、背面のグラフィックを作りましょう。
私は Illustratorで行いましたがPhotoshopでももちろんOKです。
今回は実際の大きさを想定して、単位をmmにしています。
縦120mm×横80mm×奥行き30mmの箱型パッケージのデザインにしました。
側面は前面の星印を起点に、反時計周りでぐるり一周を一枚のグラフィックにします。
なので、左から底面→左側面→上面→右側面の順でつなげます。
側面のピンクの部分が前面側になります。
側面に柄を入れる場合は向きに注意してください。
またもう一つ重要なポイントがあります。
背面は必ず左右反転しておいてください。
できましたか?
ではこれを1枚ずつPNG書き出ししましょう。
名前をfront.png、side.png、back.pngと変えておいてください。
作るのが面倒でしたら下記からダウンロードしてください。
データはフォルダにまとめておくと便利です。
デスクトップなどに適当な名前のフォルダを1つ作ります。
今回は3Dというフォルダ名にしました。
ここに先程作った柄のPNGデータも入れてしまいましょう。
2.Photoshopで3Dモデルを作成
Photoshopを開き、それにツールバーの長方形ツールで前面と同じサイズの
縦120mm×横80mmの四角を描きます。色は適当で良いです。
ではこれを3D押し出ししましょう。
メニューバーの3D/選択したレイヤーから新規3D押し出しを作成を選びます。
おそらく「3Dレイヤーを作成しようとしています。3Dワークスペースに切り替えますか?」
というダイアログが出るのでOKを押してワークスペースを切り替えます。
するとこのような画面になります。
Photoshopで3Dをやったことがない方だと、オブジェクトに変わったマークが出て戸惑うかもしれませんね。
では属性パネルを出して、押し出しの深さを奥行きと同じ30mmに設定します。
次はオブジェクトをOBJというファイル形式に書き出しをしましょう。
メニューバー/3D/3Dレイヤーを書き出しをクリックし、WavefrontOBJを選択します。
保存場所を先程作ったフォルダにしてOKを押すと、4つくらいファイルが自動生成されます。
Photoshopで開いているデータは一旦閉じます。(この先このデータは使いません)
3.3Dオブジェクトに柄を貼り付ける
この工程は以下の記事を参考にさせていただきました。
併せてごらんください。
先ほど生成されたMLTファイルの方を適当なテキストエディターで開きます。
このファイルには、柄を配置する情報が書かれています。
私はMac付属のテキストエディットで開きました。
するとこういった文字列が出てくるので、赤文字のところを書き換えます。
上から前面の柄のファイル名、側面の柄のファイル名、背面の柄のファイル名にします。
ここを書き換えることでリンク状態になり柄が配置されます。
書き換えたら上書き保存します。(不安でしたら元のMLTファイルのコピーを取っておいてください)
再び先程書き出したOBJファイルをPhotoshopで開きます。
すると3Dモデルに柄が配置されているはずです!
ひとまずここで一旦psd保存をしておきましょう。
4.3D PDFに書き出します
3Dパネルのシーンを選択した状態で、属性パネルの上部にある3Dプリント設定マークをクリックします。
このマークはシーンを選んでいないと現れません。
クリックしましたらこのような表示になるのでプリンターのプルダウンからPDFを選んで
パネルの右下にあるプリント開始マークをクリックしてください。
この順番です。
ちょっと時間がかかるかもしれませんがこのような画面になります。
書き出しをクリックすると3D PDFが書き出されます。
Acrobatで開いてみよう
それではこのデータをAcrobatにドラッグしてみてください。
3D機能をオンにするかどうかのダイアログが出た場合は、画面に従ってオンにしてください。
どうでしょうか?
画面上で自由に回転できるPDFデータが完成しているはずです!
お疲れ様でした!
今回作ったデータをダウンロードできます。
良ければ参考になさってください。